しゃもじ記

学歴なし、金なし、ほぼ職歴なし。新卒を捨て3年間海外を放浪したゆとりのブログ

社長の言葉とSさん その2

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前回の続きです。 

shamojioil.hatenablog.com

 社長の言葉とSさん その2

それは先輩Fさんと今年新卒で入社した新入社員のSさんでした。

 

お疲れさまです~

 

二人はそう言うとまだ作業中だった僕を尻目にオフィスの奥に消えていきました。

 

え?なんでFさんとSさんがここに?

 

当然の事に僕は混乱しました。

 

なぜならこの二人は今日新宿勤務で

 

この時間はもうとっくに新宿での業務が終わっているはずだったからです。

 

時刻はこのとき20:30をまわっていました。

僕は予定外の面談のせいでまだ終わっていなかった日報を書きながら

 

奥に消えた二人の様子をチラッと見ました。

 

するとあろうことか二人は部長達の仕事の手伝いをしていました。

 

別に今日一日、特段忙しかったわけではありません。

 

なのに二人はわざわざこうやって本社に来てまで部長のお手伝いをしている…

 

推測するに、

 

この二人はおそらく新宿での勤務後、

 

20分かけて本社に来て自分たちになにかできることはないかと

 

自ら率先して手伝いを志願しにきたのです。

 

無論無償で。

 

そこまでやるのか…

 

あまりにも衝撃でした。

 

そんなことまでやるなんて…

 

しかしながら、こうなると仕方ありません。

 

この二人が来たせいで半ば強制的に

 

新入社員である僕も部長達の手伝いを余儀なくされました。

 

部長達は今月末で会社を退職するOさんへのお別れカードを書いていました。

 

僕はOさんと2回程度しか一緒仕事をしたことがないし、

 

正直思い出なんて無いに等しいのですが、それでも上司と一緒に

 

カード作りを手伝いました。カードに思い出写真を切り取ってそれをカードに貼る。

 

まるで高校生が学園祭でやるような作業を

 

サビ残までしてやる羽目になってしまったのです。

 

ひたすら思い出写真を切って、切って、切って…

 

この単純作業はかなり退屈でした。

 

なんでこんなことしてんだろう…

 

僕はFさんとSさんと恨みました。

 

お前らのせいでこっちまで手伝うはめになったぞ、コラ。

 

そんな怒りの感情を隠しつつ、黙々と作業を進めました。

 

やがて作業をしてから一時間ぐらい経った頃、

 

Sさんが突然

 

私なにかドリンクと食べ物買って来ますね~

 

とみんなの為に率先してパシリを買って出ました。

 

え?それって長引くってことだよね?マジで?

 

Sさんの行動はまだまだ遅くまでこの作業は続くぞということを示唆していました。

 

まじかよ…

 

一体今日はいつになったら帰れるんだ?

 

僕は怒りを通り越して、もはや絶望の境地にいました。

 

そして、予想通りこの単純作業は続き、

 

さらに一時間が過ぎて、買い物にいったSさんが戻ってきました。

 

一時間も買い物なんて何を買ってきたんだ?

 

そう思って帰ってきたSさんを見ると、

 

なんと彼女は両手が塞がるほどドリンクと食べ物を買って帰ってきたのです。

 

全員分のドリンクとナゲットやポテト、さらにデザートまで。

 

おそらく計4000円はくだらないであろう量を。

 

だから一時間かかったのか…

 

そしてSさんは買ってきた食べ物と飲み物を丁寧に配り始めました。

 

しかもただ配るだけじゃなく、ちゃんと上司を労いながら、

 

明るく元気に振る舞ってみんなを笑わせていました。

 

上司のフリにもわざとボケたり、積極的に話しかけたり、

 

さながら場を和ませるピエロのように。

 

そんなSさんを見て、社長がすかさず

 

「いくらだった?だすよ」

 

と聞くと、Sさんはまたもや僕を驚かせます。

 

「いいです!いいです!ほんとにお金はいらないです。

今度美味しいお店にでも連れていってください!それでいいので。」

 

と言い放ち、自腹で全員分の食べ物と飲み物を奢ったのです。

 

え?

 

いや、

 

え?

 

 

瞬間、さっきの面談の社長の言葉が脳裏によぎりました。

 

 

Sさんは今年4月に入社した3人いる新卒社員の一人です。

 

(一応会社の中では僕が一番入社時期が遅いので全員が先輩ですが)

 

そのSさんは3人の中でも能力が低いことを以前から皆に指摘されていました。

 

Sさんも恐らく、最近、社長と面談をして僕と同じような事を言われたのでしょう。

 

そして考え、おそらく今必死なのです。

 

上司に気に入られるにはどうすればいいか。

 

人よりも仕事が出来ないSさんが出来ること、それは

 

上司の為に自ら志願にして雑用をこなし、パシリを買ってでること。

そして明るく振る舞って場を盛り上げるピエロになること。

 

この2つだったのです。

 

毒されてる…

 

僕はSさんの行動にドン引きしてしまいました。

 

そして同時に恐怖にかられました。

 

自分もここにいれば確実にこういったSさんのように

 

凝り固まったマインドで動くようになってしまう…

 

そして常に自己犠牲で動き、上司の顔色を伺うことばかり考えてしまうのだ。

 

このままでは…会社に支配される。

 

もうそうしか考えられなくなりました。

 

結局この後も、全員一丸となってカード作成は続きました。

 

そして11時を回ったところで一段落つき、ようやく社員の方が帰り始めました。

 

そして11時半、僕も日報を書き終えると、やっと業務から解放されました。

 

そして自宅に帰り、今日1日あった出来事をもう一度振り返りました。

 

社長の言葉、Sさんの行動、同調圧力…

 

さまざまなものが頭の中でぐるぐると回っていました。

 

そして、次の日。

 

一日休みを挟んで考えて出した僕の答えは

 

会社を辞める

 

 

でした。